2020-07-13 12:14

NMNは、マウスの食事と年齢による糖尿病の逆転を助ける

Tiffany Chenより
 
3,400万人以上のアメリカ人は糖尿病を持っており、うち約90~95%が2型糖尿病にかかっている。長く座るようなライフスタイルを持つ現代人の中、2型糖尿病はすでに流行病となっている。それは高カロリー食が私たちの代謝経路を圧倒するかもしれない。
セントルイスのワシントン大学医学部の研究者は、天然化合物であるニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)を与えることで、マウスの食事と年齢による糖尿病を逆転させた。 『Cell Metabolism』誌に掲載された2011年の研究によると、サプリメントとしてNMNを摂取する場合、2型糖尿病の治療法や予防策になる可能性がある。



ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(NAD+)重要な前駆体であるNMNは、マウスの食事と加齢による糖尿病の病態生理を治療する。高脂肪食と加齢はNAD+生合成を低下させる。NAD+の低下は2型糖尿病(T2D)などの代謝障害をきたすが、糖尿病マウスにNMNを投与すると糖尿病の症状を改善させる(Yoshino et al., 2011)。
「NMNを与えた後、メス糖尿病マウスでは耐糖能が完全に正常に戻った」と、ワシントン大学の今井慎一郎氏は声明で述べている。「オスでは、メスに比べて緩やかな効き目が見られるが、それでも効き目は見られる。これは本当に有意義だ。NMNは少なくともマウスの中で糖尿病の症状を改善させる。」
高脂肪食と加齢は、NAD+分子(細胞のエネルギー通貨として機能する)を生成する代謝経路を阻害する。NAD+はまた、SIRT1(細胞の健康を調節する分子である)を活性化し、病気や悪化から細胞を守る役割も担っている。NAD+レベルが低下すると、糖尿病などの代謝障害につながる。糖尿病患者の症状の一つとして、グルコース耐性は低く、体が血液からブドウ糖を臓器や組織に効率よく移動させることができない。
研究者らは、健康で若いマウスに高脂肪食を与えた後、6ヶ月以内に糖尿病を発症したことを発見した。標準的な食事をとったマウスと比べ、糖尿病マウスの肝臓と脂肪組織におけるNAD+レベルが著しく低下した。しかし、NAD+の前駆体であるNMNをマウスに注射すると、組織内のNAD+レベルが回復し、メスの糖尿病マウスの耐糖能異常が完全に正常化された。 
共同研究者の吉野純氏は、「NMNの効果は他の既知の化合物や化学物質よりもはるかに大きいので、このような結果が得られたことにとても嬉しい」と述べている。「さらに、体内で自然にNMNが作られるという事実は、これらの発見をヒトに応用する上で有望である。」
2型糖尿病を発症するもう一つの危険因子は、加齢である。幼齢マウスに比べて、高齢マウスは膵臓、脂肪組織、筋肉におけるNAD+レベルが低い。研究チームは、健康な雄の高齢マウスのうち、約15%が糖尿病を発症していることを発見した。
「これらの高齢の糖尿病マウスにNMNを注射した後、1回の注射でさえ耐糖能が改善された。」と共同研究者のKathryn Mills氏は述べている。「また、健康な高齢マウスにも注射しても悪影響はなかった。糖尿病がない健康なマウスにNMNを投与してあげても害はないというのは良いことだ。」
2017年、診断された糖尿病の推定総費用は3,270億ドルで、うちには2,370億ドルの直接医療費と900億ドルの生産性低下が含まれる。アメリカ疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)のデータによると、科学者らは糖尿病を持つアメリカ人の数が5,490万人を超え、2030年までに糖尿病に関連するコストは6,220億ドル以上になると予測している。
糖尿病の流行が拡大し、経済的負担が大きくなるにつれて、研究チームは2型糖尿病に対するNMNの潜在的な治療特性を特定する第一歩を踏み出した。その後、2016年の研究では、今井氏はNMNの長期経口摂取によりマウスのヘルススパンが延長したことを発見した。
2020年、今井氏も関与した世界初のNMNヒト試験では、NMNがヒトにとって安全であることが示された。NMNに関連する臨床試験が増えるにつれ、科学者たちは早めにNMN治療潜在力の答えを得るでしょう。
 
出典
参照論文:
Yoshino J, Mills KF, Yoon MJ, Imai S. Nicotinamide mononucleotide, a key NAD(+) intermediate, treats the pathophysiology of diet- and age-induced diabetes in mice. Cell Metab. 2011;14(4):528-536. doi:10.1016/j.cmet.2011.08.014.